三重県伊賀市の上野公園で11月27日、陸上自衛隊久居駐屯地(津市)に勤務する隊員約50人が伊賀上野城の高石垣に生い茂った雑木の伐採作業を行った。作業は同30日までの予定。

 3年ごとに実施しているこの作業は高石垣の維持管理と景観保持が目的で、市から要請を受けた同駐屯地の第33普通科連隊が協力。初日は午後から作業が始まり、第1中隊に所属する迷彩服姿の隊員が3人1組になってロープで降下し、石垣の隙間に生い茂ったフジやシダなどを鎌やノコギリなどで切り落とした。

 開始式では、岡本栄市長が「十分慣れていると思うが、気を付けて作業して頂きたい」とあいさつ。続いて33普通科連隊長兼久居駐屯地司令の金子洋幸・一等陸佐が「地域に安心をモットーに日々活動している。有事への対応と、顔の見える関係を築くなど我々の精強なところを見て頂く平素の活動が大事なのだが、コロナ禍で実施できなかった。ようやく落ち着いて絶好の機会が得られてありがたいと思っている。市民の人にも見学、応援してもらえたら、隊員もやる気が出る」と話した。

 高石垣は高さが約30メートル。国史跡・上野城跡の一部で、総延長は東側を除く三方で約320メートル。津藩主の藤堂高虎が1611(慶長16)年に城の大改築時に高石垣を現在の姿に改修したと伝えられる。

- Advertisement -