【ハヤトウリを栽培している羽根さん】

 握りこぶし大ほどの大きさで、コリコリした食感を生かし漬物やサラダ、炒め物などで食べることが多いハヤトウリが、三重県の伊賀地域で収穫時期を迎えている。3年ほど前から栽培している名張市長瀬の羽根みつよさん(71)は、地元や市内の産直市場に出荷し、さまざまな料理にも挑戦している。

 ハヤトウリは中米原産のつる性植物で、大正時代に鹿児島へ導入され、「薩摩隼人」にちなんで名付けられたとされる。実の色は黄緑や白で、たくさん実ることから「千成瓜」とも呼ばれる。

 羽根家の食卓には、義母の津なへさん(99)が昔から作っていた糠みそ漬けがあり、今はみつよさんが自宅裏の畑でハヤトウリを育て、漬けている。今年は5株栽培し、夫の敏幸さん(74)が木やパイプで棚を作り、草刈りなどでサポートしている。

 小さい実は薄くスライスしてサラダや酢の物に、大きい実はきんぴらや炒め物にすることが多いそうで、家族で漬物以外の目新しい味わいも楽しんでいるそうだ。

 とれたて名張交流館(同市鴻之台)によると、東南アジアでは煮物や炒め物などでよく食べられ、旬の時期にはゆかりの人たちがこぞって買いに訪れているという。

2023年11月25日付856号1面から

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