「これまでの価値観を変えてしまうようなことが世界中で起きているが、自分なりに面白いと思うものを描き続けたい」。抽象画を描く三重県伊賀市法花の向井一雄さん(70)の2年半ぶりの個展「ココロノカタチ」が、11月11から19日まで同市内で開かれる。
大学時代に友人の影響でデッサンや写生を始め、絵画に親しんで約半世紀。最初は写実的な作品も描いていたが、近年はアクリル絵の具を中心に抽象画をライフワークとしている。個展は2018、21年に続き3回目となる。
「軽く、明るく、おもしろく」を意識し、絵画という平面の中で奥行きのある世界を表現しようと試行錯誤する近年。「70歳になり、年相応に変わってきたこと、ずっと変わらないもの、そのどちらも大切にしたい」と、日々キャンバスに向かう。
今回は10、20センチ角の小品を中心に、S30号や横長の50号変形サイズなど30点余りを出品予定。向井さんは「絵と向き合う時間や経過が、描き手として楽しい。昨今の社会情勢を背景とした日常の中での感情の機微も素直に表そうと思った」と話していた。
会場は同市上野福居町のアートスペースいがで、時間は午前11時から午後6時(最終日は同4時)まで。入場無料。
問い合わせは同ギャラリー(0595・22・0522)まで。
2023年10月28日付854号21面から
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