【キキョウの開花を捉えた動画の一場面】

 三重県名張市内で花を咲かせた「秋の七草」を、読売新聞の元カメラマン、松永悳三さん(89)=西田原=が撮影した。自然の営みを切り取った写真と動画に松永さんが解説を添え、YOUが編集。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/D44hrRGJoZc)〉

愛用の防水カメラを構える松永さん

 秋の七草はハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの7種。奈良時代の歌人、山上憶良が詠み、万葉集に収められた和歌にちなんでいる。春の七草は「七草がゆ」にして食べるが、秋の七草は風情を感じながら見て楽しむものとされている。

 60歳で定年退職し、70歳で出身地の名張に帰郷した松永さんは、移りゆく地域や草花の姿を毎日記録し続けてきた。秋の七草の撮影は構想から約3年をかけた取り組みで、身近な自然の魅力を表現した。中でも名張藤堂家の家紋で名張市の花でもあるキキョウは、タイミングを入念に計り、つぼみが5つに割れて花が開くまでの様子をインターバル撮影で捉えている。

 松永さんは「自然の仕組みを把握し、狙いを定め、花の最も素晴らしい瞬間を撮った。見て頂けたらありがたい」と話した。

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