【取り組みについて話す山本さん(右)と由季子さん(提供)】

有志が企画

 農作業の合間に、気の知れた人と過ごすひとときに、ちょっと一息。三重県伊賀市馬田の馬田公民館で今年6月から毎月第3日曜に開かれている「わにまるCAFE」は、子どもや家族連れから年配者まで気軽に立ち寄れる、月に1回のお楽しみ。山本哲士さん(36)、由季子さん(38)夫妻を中心に地元有志11人がアットホームな雰囲気で運営している。

「わにまるカフェ」に集まった住民ら(同)
ロゴマーク(同)

 「地域が一つの輪になるように」というコンセプトのもと、世代間・分野間の交流、誰もが集える居場所づくりを進めようと組織した「有志地域活性化団体わにまる」が馬田区との共催で取り組む。慣れ親しんだ地域に昔から住む人に加え、結婚や仕事などの縁で県外から移住した人たちが、それぞれの社会経験を生かしながらボランティアをする「プロボノ」として活動を展開。メンバーの年齢層は30代から中間層を含め80代までと幅広い。

 「わにまる」という名には、人の「輪」や地域の「和」などを「まる」で包み込む活動をしたい、という思いが込められ、尾で輪を描いたワニのイラストが目印。元コーヒー店スタッフがいれる手網焙煎のドリップコーヒー、茶道歴十数年の茶道家がたてる抹茶、元和菓子職人が作るベビーカステラを各100円で提供する他、その時々で追加のドリンクメニューやスイーツを準備している。

世代間交流

 草刈り後に作業着で訪れる若者、シルバーカーに乗った高齢者、乳幼児連れの家族、カフェの存在を知った他地区の人たちも訪れる。子どもが接客対応を体験したり、高齢者が若者にスマホの使い方を教わったりと、集まった人たちによって自然発生的な世代間交流が生まれている。

「わにまるカフェ」に集まった住民ら(同)

 8月は地元の教員らが小学生に宿題の助言をする機会があった。毎週金曜にはスーパーの移動販売車を呼んだり、介護予防に関する健康講座の企画をしたりし、予定を広報紙「わにまる通信」で紹介するなど、細やかな取り組みを続ける。スタッフには地区外のメンバーもおり、イメージマスコットやステッカーの作成、抹茶に添える茶菓子作りなどでも協力を得ている。

 山本さん夫妻は「お弁当を持ってきて食べたり、手作りおやつを持参してシェアしたり、お茶を持ってきて涼んだり、時にはパソコンを持ち込んで仕事をしたりと、自由に過ごしてもらえたら」と話していた。

 わにまるカフェは毎月第3日曜午前10時から午後4時に開催。次回は10月15日を予定。

 開催当日の問い合わせは馬田公民館(0595・43・0985)まで。

「わにまるカフェ」に集まった住民ら(同)

2023年10月14日付853号1面から

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