三重県伊賀市出身で元幕内・千代の国の佐ノ山親方(本名・澤田憲輝=33)が10月10日、観光大使を務めていた地元市役所を訪れ、現役引退を報告した。後援会の中村信通会長(75)らも同席し、佐ノ山親方は「伊賀市に恩返しできたら」と現役時代に使っていた化粧まわしの寄贈を伝えた。
佐ノ山親方は15歳で九重部屋に入門。2006年の夏場所で初土俵を踏んだ。新入幕を果たしたのは21歳だった12年の初場所で、最高位は東前頭筆頭。幕内の通算在位は34場所を数え、17年5月の夏場所では横綱の鶴竜を破る金星を挙げ、敢闘賞も2回受賞した。
現役時代は大けがを何度も乗り越え、気迫あふれる激しい突き押しの真っ向勝負でファンを沸かせた。今年7月の名古屋場所で引退し、現在は部屋付きの親方として後進の指導に当たっている。
来年6月8日には両国・国技館(東京)で断髪式を予定している。佐ノ山親方は「17年間の土俵人生だったが、観光大使に任命して頂いてから丸12年間関取として頑張ってこられた。これも伊賀市の方々の応援があってからだと思う。ありがとうございました」と感謝を伝えた。
佐ノ山親方から現役最後になった名古屋場所の番付表と満員御礼時に配られる大入り袋を飾った記念の品を受け取った岡本栄市長は「いろいろお世話になりました。貴重なものを頂戴した。しっかりと保存活用します」と礼を言い、労った。
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