「自分が選んだ本を通じて地元の人たちが集い、つながれる場ができたら」。ずっと本に関わる仕事をしてきた三重県伊賀市柘植町の芝川由希さん(33)が今年6月、JR柘植駅から程近い、以前自宅として使っていた民家を改装し、「APRIL BOOKS(エイプリルブックス)」という書店をオープンした。
大学を卒業後、司書として四日市市立図書館や図書館流通センターに勤務した他、リサイクル書店でも勤めていた。6年前の結婚を機に柘植へ移り住み、日々の暮らしの中で周りの人たちと親しくなり、「文化交流ができ、いろんな情報が発信できたら」と思うようになったことも書店を始める動機になったという。
木を基調とした内装の店内には、エッセーや専門書、子育て世代に向けた絵本類など約500冊が並ぶ。流通に乗っていても見つけにくい小出版社や良書など芝川さん自身が選んだものだ。奥の壁には大きな無地のボードを設置し、絵を飾ったり読み聞かせなど簡単なイベントを開いたりする予定だという。
「本とは自分にない情報や自分の中にある物語に出会えるツール。又開くことで新しい自分に出会える」と本の魅力を語る芝川さん。「特徴的な装丁やさまざまな紙質など、本には電子書籍にない魅力もある。気軽に来て手に取ってみて」と話していた。
営業は午前10時から午後3時(土曜・祝は9時半から5時)まで。日、月曜定休。インスタグラム(@aprilbooks0329)ではおすすめ書籍の情報なども発信している。
2023年9月9日付851号22面から
- Advertisement -