【話し合って作業をするロボット技術部の部員たち=名張市】

 「高専」といえば「ロボコン」―。近畿大学工業高等専門学校(三重県名張市春日丘)のロボット技術部では、部員27人が日々力を合わせて研究を重ねている。目標とする「NHK高専ロボットコンテスト全国大会」出場に向け、10月の近畿地区大会に臨む。

 改称・移転前の熊野高専(熊野市)時代から続く伝統あるクラブで、現在は1、2、3年生を中心に活動している。機械やロボットに関心の高い学生はもちろん、プログラミングや回路などについて学びたい人も。近年は扱いの難しい高度な加工機械を使える部員も増え、より精度の高いパーツ作りができるようになった他、次世代ロボットエンジニア育成を目指すコンテスト「CoRE(コア)」にも参加し、経験を重ねている。

 同高専の1、2年生はさまざまな分野を総合システム工学科で学び、3年から専門に分かれるカリキュラムのため、本来は3年以降に習う機械の操作や専門科目の学習を、活動を通じて1、2年時に先取りできるのも強みだといい、顧問の長谷川尚哉特任准教授は「採用試験の際にも、情熱を持ってロボコンに関わってきた経験が生きてくる」と話す。

 近畿大会には例年2チームが出場し、受賞歴もあるが、全国大会からは約20年遠ざかっている。中学時代にテレビで高専ロボコンを見て「楽しそう。やってみたい」と思った部長の辰巳勝寛さん(電気電子コース3年)は「長らく指導してくださり、来春退職される久貝先生(久貝克弥特任教授)の花道を自分たちが飾りたい」と秘めた思いを語った。

2023年9月23日付852号20、21面から

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