【2021年に新種と認定された「イガツブゲンゴロウ」(左・提供写真)について説明する武田さん=伊賀市四十九町で】

 2004年5月に当時の三重県上野市(現・伊賀市)内の農業用ため池で、名張市桔梗が丘5の歯科医師、武田恵世さん(65)が採取した水生昆虫のゲンゴロウが、21年6月に日本昆虫分類学会の学会誌で紹介され、新種と認定された。発見場所の伊賀にちなみ、学名に「shinobi(シノビ)」、呼称にも「イガ」が付けられており、9月21日に伊賀市役所で報道関係者に向けて解説した武田さんは「経年劣化などで池の荒廃や廃止などが進む中、保護の動きを進めたい」と呼び掛けている。

 新種と認定されたのは、ツブゲンゴロウ亜科ツブゲンゴロウ属の「イガツブゲンゴロウ」で、学名は「ラコフィルス・シノビ」。体長は約4ミリで、模様のパターンや殻と脚の形態などに特徴があるといい、これまでに同市内の近接した小規模なため池4か所で生息が確認されているという。

 武田さんは発見当時、絶滅の恐れのある動植物などの生息状況などをまとめた「三重県レッドデータブック」(10年ごとに改訂)の改訂委員を務めており、依頼を受けて生物調査を行っていた。目の細かいたも網ですくい、津市の昆虫研究家、秋田勝己さんに鑑定を依頼するとともに、自身が経営する診療所の水槽で5匹を1年ほど飼育していたという。

 現在、民間団体「伊賀市環境保全市民会議」の「伊賀のレッドデータブック」作成委員会で委員長も務める武田さんは、発見当時を振り返り、「図鑑などを調べたが、既存のゲンゴロウと特徴が異なるので『新種ではないか』と思っていた」と話し、「生息している池が、工事や廃止のリストにいつ入ってもおかしくない」と強調していた。

水生生物の観察会 10月1日に

 同会議では、イガツブゲンゴロウの生息地に近いため池を会場に、ゲンゴロウや水生生物を探す「ゲンゴロウの仲間の観察会」を10月1日に開く。当日は午前9時に上野南中学校(同市森寺)駐車場に集合し、同9時30分出発、同11時30分ごろ解散。たも網、バケツ、飲み物などは各自持参する。参加費は1家族100円(保険代)で、事前に同会議事務局(0595・22・9624、市生活環境課内)へ申し込む。

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