【上野税務署=伊賀市緑ケ丘本町】

 消費税の「インボイス制度」が10月に始まる。三重県の伊賀市と名張市を管轄する上野税務署の浅香幸広署長(60)に、伊賀地域の状況や疑問点などについて質問した。〈連載(全5回)〉

【Q】郵便切手は購入時に消費税は非課税、使用時に課税対象となりますが、インボイス制度ではどのような取り扱いになりますか。

【A】郵便切手類または物品切手などは、購入時においては原則として、課税仕入れには該当せず、役務または物品の引換給付を受けた時にその引換給付を受けた事業者の課税仕入れとなりますが、現行の取扱いとして、郵便切手類または物品切手などを購入した事業者が、その購入した郵便切手類または物品切手などのうち、自ら引換給付を受けるものにつき、継続してその郵便切手類または物品切手などの対価を支払った日の属する課税期間の課税仕入れとしている場合には、これを認めています。

 他方、適格請求書等保存方式においては、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、適格請求書などの保存が必要となりますが、郵便切手類のみを対価とする郵便ポストなどへの投函による郵便サービスは、適格請求書の交付義務が免除されており、買手においては、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができます。

 また、物品切手などで適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます)が記載されているものが、引換給付を受ける際に適格請求書発行事業者により回収される場合、当該物品切手などにより役務または物品の引換給付を受ける買手は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができます。

 したがって、このような郵便切手類および物品切手など(適格請求書発行事業者により 回収されることが明らかなものに限ります)のうち、自ら引換給付を受けるものについては、適格請求書等保存方式においても引き続き、購入(対価の支払)時に課税仕入れとして計上し、一定の事項を記載した帳簿を保存することにより、仕入税額控除の適用を受けることができます。

 なお、上記(一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができるもの)以外の物品切手などに係る課税仕入れは、購入(対価の支払)時ではなく、適格請求書などの交付を受けることとなるその引換給付を受けた時に課税仕入れを計上し、仕入税額控除の適用を受けることとなります。

【Q】インボイス制度についてまだまだ分からないことがあります。参考になるホームページや、相談の仕方を教えてください。

【A】国税庁のホームページ(https://www.nta.go.jp/)に「インボイス制度特設サイト」を設けております。特設サイトでは、オンライン説明会などの説明会や、登録の要否を検討されている方向けの登録要否相談会の開催案内、インボイス制度について解説した動画(国税庁動画チャンネル)、インボイス制度に関する取扱通達やQ&A、インボイス制度に関する相談窓口一覧などを掲載しています。

 インボイス制度に関するお問い合わせ先を紹介します。インボイス制度のチャットボットについては、メンテナンス期間を除き、24時間いつでもご利用いただけますので、ぜひご活用ください。

 また、インボイス制度に関する一般的なご質問やご相談に対応するコールセンター(0120・205・553=平日午前9時から午後5時)を設けております。フリーダイヤルですのでこちらもご利用ください。

 なお、税務署での面接による個別相談を希望される方は、最寄りの税務署にお電話にて面接日時を予約の上、ご来署いただくようお願いします。先ほどご紹介したインボイス特設サイトに設置している「インボイス制度に関する相談窓口一覧表」では、各種補助金、取引上のお悩みなどの相談窓口をご案内しておりますので、こちらもご利用ください。

【迫るインボイス④】上野税務署長に聞く インボイスを紛失したら?
(https://www.iga-younet.co.jp/2023/09/16/80670/)

【関連記事】新署長の浅香さんにインタビュー 上野税務署(https://www.iga-younet.co.jp/2023/09/13/80639/)

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