【だんじりや印の名称が書かれた木札を持つ各町の祭礼担当者=伊賀市上野東町で】

 10月20日から22日まで三重県伊賀市の中心市街地で行われる「上野天神祭」のだんじり巡行順を決める「祭礼事始籤取(くじとり)式」が9月9日、同市上野東町の菅原神社で開かれ、上野小玉町の「小蓑山」が6年ぶりに先頭に決まった。

 籤取式は午後1時30分から同神社拝殿であり、鬼行列やだんじり巡行を担う上野文化美術保存会や13町の祭礼関係者ら約40人が出席。神事の後、鬼行列に続いて練るだんじり9町の担当者が、予備抽選順に「壱番」から「九番」までの順が記されたくじを引いていった。

 上野小玉町は2017年にも一番くじを引いているが、同年は悪天候のため2日目と最終日の巡行が中止された。同町文化美術保存部長の増田雄さん(50)は「新型コロナの影響で巡行縮小などもあったが、今年は完全復活の巡行の1番手として身が引き締まる思い」と語った。

 神事の後、直井清宮司は「今年こそ本来の上野天神祭が行えると思う。神幸祭では盛大に、ゆかしくうるわしく催行して頂けたら」と関係者に向けてあいさつした。

 同祭は国の重要無形民俗文化財で、2016年には「上野天神祭のダンジリ行事」がユネスコ無形文化遺産に登録された。翌17年から週末開催となって以降、悪天候や新型コロナの影響などで巡行が縮小・中止になる年もあった。3年ぶりに鬼・だんじりの巡行が行われた昨年は、最終日の本祭(神幸祭)に約7万3000人(主催者発表)が訪れていた。

 今年のだんじり巡行順は以下の通り(町名、だんじりの名称、しるしの名称の順)。

①上野小玉町(小蓑山、三社の託宣) ②上野新町(薙刀鉾、白楽天) ③上野中町(其神山葵鉾、菊茲童) ④上野西町(花冠、鞨鼓) ⑤上野東町(桐本、逆熨斗) ⑥上野魚町(紫鱗、琴高仙人) ⑦上野福居町(三明、幟山) ⑧上野鍛冶町(二東、月鉾) ⑨上野向島町(鉄英剣鉾、日月扇)

今年の巡行順に並べられた各町の木札=同
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