「自ら体現して伝えたい」
7月に奈良県で開かれた合気道の世界大会で、伊賀市沖の川村祐生さん(32)が団体戦の日本代表メンバーとして優勝を果たした。故郷で道場を構えて丸1年、競技者としても大きな結果を出したことで「自分自身がこうして体現し、多くの人に合気道を伝えていきたい」と意気込んでいる。
大阪芸術大在学中から昭道館合気道(本部・大阪市)へ通い、2018年の世界選手権で演武2位になるなど選手として活躍する一方、子ども向け教室や本部道場での指導も担当し、30歳を機に故郷で独立。自宅を兼ねた「昭道館合気道伊賀支部」で小学生から70代までの会員を指導している。
川村さんは7月の「第3回WSAF合気道世界大会」で男女7人組で演武や技の出来を競う「種目別混合団体戦」に出場し、ひざ立ちの状態で技を繰り出す「座り技」の演武を披露。4チームによるトーナメント初戦でオーストラリア代表、決勝で英国代表に勝利し、見事に金メダルを獲得した。更に、演武競技「古流護身の形」でも3位に入賞した。
新型コロナの影響で、大阪時代には世界大会の開催延期や生徒離れ、教室の休止など、つらい出来事も重なったが、伊賀で自分の道場を持ち、世界一の称号も得た現在は「今まで以上にやりがいを持って合気道と向き合えるようになってきた。何歳になってもさまざまな技を体現できるよう、鍛錬を重ねていきたい」と語っていた。
2023年8月26日付850号22面から
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