【本殿前で来場を呼び掛ける中野宮司=名張市大屋戸で】

 「大屋戸の天神さん」の名でも親しまれる三重県名張市大屋戸の杉谷神社で8月26日、4年ぶりに「盆踊り大会」が開かれる。多くの人が集う久々の機会を前に、関係者は盛り上がりに期待を寄せている。

 盆踊り大会は、大屋戸、夏秋、松原町、短野、下三谷の5地区の役員らでつくる実行委員会が企画・運営しており、市内のよさこいソーラングループ「Seyate隠(なんばり)」と健康体操サークル「ひまわり」が音頭をとる。

 時間は午後7時から同10時までで、会場の同神社境内ではスーパーボールすくいや金魚すくい、くじ引き、菓子・飲み物の販売などがある。

 夏秋の福井重次区長は「ここ数年コロナで自粛していたぶん『今年は盆踊りをやろう』と機運が高まり、春から準備を進めてきた。やぐらも組んで行うので、お楽しみに」と呼び掛けていた。

 問い合わせは福井区長(090・6365・0358)まで。

本殿修復へ

 同神社は式年造営が行われた2022年、本殿(県有形文化財)の修復工事に向けた4年がかりの躯体・彩色調査も完了した。天正伊賀の乱(1581年)で焼失後に再建され、元は極彩色を誇った本殿だが、色落ちしたり床板が腐食したりと経年劣化が進み、2019年から保存事業が始まっていた。

 「地元の皆さんが強い力で神社を支えてくれており、復元事業には地元だけでなく名張各地の皆さんからの支えも頂いてきた」と語る中野昇宮司は「盆踊りや祭典などは、貴重で大切な文化財が身近にあることを意識してもらえる機会。次の世代に良い形で引き継いでいけたら」と思いを話した。

2023年8月12日付849号7面から

- Advertisement -