【藤堂家邸で撮影の打ち合わせをする関係者(右端が伊集さん、右から3人目が石原さん)(提供写真)】

 昔からの町並みが残る三重県名張市の旧町エリアにある旧細川邸「やなせ宿」や名張藤堂家邸などの文化財を撮影した3D映像で仮想体験を楽しみませんか?

 これは「3Dデジタルバーチャルツアー」と呼ばれるもので、名張地区まちづくり協議会(田畑純也会長)が今年度から設置したデジタル推進チームに、首都圏を中心にデジタル事業を展開している合同会社わたし館(同市富貴ヶ丘)が加わり、共同で進めている事業だ。

藤堂家邸の3Dバーチャル空間(提供写真)

 やなせ宿と藤堂家邸の3D撮影は6月下旬に行われた。スマートフォンの画面から指先のタッチひとつで施設内を360度自由に見て回れ、室内の壁に貼られた資料の文字が4K高画質ではっきり読める。写真では伝わらない奥行きのある立体的な臨場感が体験できる。

 更にグーグルマップ・ストリートビューと連携し、グーグルマップで旧町エリア内にある店内に入り商品の紹介、ネット通販までできてしまうという。

 同社役員で、現在デジタルハリウッド大学院(東京都千代田区)に在学中の石原樹さん(24)は「今、使っている3Dカメラは昨冬に米国から日本に上陸してきた最新型で、町全体を3D化ストリートビューにすることが可能。現実世界の情報を基に仮想世界を構築することから、DXを加速させる手段としても期待され、メタバース、ネット通販と拡張できる」と話す。

 協議会のデジタル推進チームリーダーの伊集基之さん(52)は「デジタル庁が、都市の3Dデジタルマップ化を防災、まちづくりの活用に進めていて、今後更に加速するとみられる。大きなことはできないが、まずは、店舗、酒蔵などを3D化して、バーチャル通販の構築を考えており、それに参加して頂くモデルモニターを募集している」と話す。

 同社の石原さんは「文化庁が、全国的に文化財のデジタル化を進めている。名張には文化財が豊富にあり、私どもはそれらのデジタル化を進めていきたい。東京で得た当社の技術を、生まれ育った名張の地で役立てていければ」と話している。

 3Dバーチャルツアー体験はLINE公式アカウント(https://s.lmes.jp/landing-qr/2000224699-QymWaox4?uLand=GR1VSO)から。

 問い合わせはわたし館(090・7419・9129)まで。

2023年8月12日付849号22面から

- Advertisement -