【完成した施設を案内する多原施設長(右)と福島主任=伊賀市平田で】

 社会福祉法人名張育成会(本部・三重県名張市美旗中村)が運営する伊賀市平田の伊賀地域生活支援拠点「オルハナ」が完成した。8月23、24日に内覧会が開かれる。

 オルハナは、伊賀市大山田支所北側のテニスコート跡地を同法人が市から借りて建設した。軽量鉄骨平屋建て2棟から成り、延べ床面積は約650平方メートル、定員は各棟9人(うち短期入所2人)。周辺にはのどかな田園風景が広がる。

 「重い障害のある人が『親亡き後』も地域で暮らし続けることができる拠点」として、重度の知的障害者にも対応。2棟はいずれもハワイ語で、精神的に支え合う家族や仲間を意味する「オハナ」、皆で一緒に楽しみリラックスする「ルアナ」と名付け、2語を合わせて事業所名としている。

 居室の広さは12・15から12・35平方メートルと、ゆったりした設計。壁の一面には赤、青、黄などの色がアクセントカラーとして用いられ、生活する人の個性を演出する。居室入り口のプレートには、ハワイアンキルトのデザインが施されている。

 高い天井から自然光が差し込むリビングは、キッチンと一体的な構造で、職員が食事を準備する間もコミュニケーションが増やせるよう工夫。浴室には車椅子のまま浴槽に入ることができる機械浴を設け、さまざまな状況の人に対応している。各棟2つのトイレは、コロナ禍を教訓に感染症対策のゾーニングを意識して配置した。

 オルハナの多原智子施設長(43)は「障害のある方が住みやすく、生活しやすい地域を作ることが目的で、オルハナはその一つの手段。利用する方から『ゆっくりできる』『ほっとする』と言ってもらえる場所にしていきたい」、福島進也主任(44)は「生活リズムを変えずに、のびのびと暮らせるような支援をしていきたい」と運営への思いを語った。

 内覧会は、23日が午後1時から同4時まで、24日が午前10時から午後4時までで、申し込み不要。オープンは9月1日。

 問い合わせはオルハナ(0595・46・0027)まで。

2023年8月12日付849号4面から

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