「地元代表として、成長した姿と自分らしいレースを見せたい」。三重県伊賀市出身のボートレーサー、高田ひかる選手(28)が、8月1日からボートレース津(津市藤方)で開かれる競艇の女子選手限定の重賞(G1)競走「第37回レディースチャンピオン」に地元選手で唯一出場する。
2013年11月に津でデビューし、選手生活は10年目。通算435勝(うちSG競走2勝、G1競走24勝)を挙げ、優勝も7回達成した(7月17日時点)。レディースチャンピオンには18年から5年連続出場中だが、最高成績は21年の優勝戦4着。今大会中には29歳の誕生日も迎える。
ここ数年は、直線の鋭い伸びと豪快なまくりが代名詞となり、ファンの間で「まくり姫」の愛称が定着。テレビやインターネットで流れるボートレースCMのキャラクター「まくり姫オウリン」のモデルにもなった。
自他ともに認める今年のハイライトは、4月に津であった男女混合のG1競走だ。地元勢で唯一勝ち上がり、優勝戦でトップレーサーの峰竜太選手(38)と最後までデッドヒートを繰り広げ、惜しくも小差の準優勝。自身のツイッターに感情的な言葉をめったにつづらない高田選手はレース後、「もっと強くなりたい。もっと上に行きたい」と思いの丈を短い文に込めていた。
トップ選手たちと競合「もっと強くなりたい」
「今の全力を出し切った。後悔はない。でも、何が足りないのか」。反省と振り返りを経て、8日後からの女子戦(鳴門)で見事優勝を果たす。52人で争うレディースチャンピオンの出場選考期間(昨年6月から今年5月まで)の勝率で既に上位に入っていた高田選手は、女子戦優勝者として優先出走権を手にした。
同じ伊賀市出身の後輩で、5月の女子戦でデビュー初優勝を果たした山下夏鈴選手(25)とのダブル出場も目前だったが、山下選手は事故率(フライング、出遅れ、失格などの割合)が基準を上回ったため選外に。高田選手は「初優勝したのに地元でのチャンスを棒に振り、悔しいと思う」と後輩を気遣いつつ、「そう感じなくなるくらい強くなってほしい」と厳しさを込めたエールを送る。
22、23年は、ファン投票で選出されるオールスターなど、SG・G1競走に計12節(6月末時点)出走し、実力、知名度ともにトップクラスの選手たちと競い合う中で、「自分の弱みや強み、個性を実感できた」という。しかし、「個性派だからこそチャンスがある。好機を逃さないよう準備し、良いところを磨き、弱いところをレベルアップさせていきたい」と、飛躍を誓っていた。
高田選手は同大会の初日、最終12レースの「ドリーム戦」に5号艇で出走予定。
2023年7月29日付848号2、3面から