【人が川に流された想定でロープを投げる隊員=伊賀市岩倉で】

 川や海など自然の中でレジャーを楽しむ人が増える夏休み時期を前に、三重県伊賀市と名張市の両消防本部は7月3日、伊賀市岩倉の岩倉峡公園付近の木津川で水難救助訓練を実施した。参加した25人の隊員たちは、川に流されながら岸へ近付く泳法を実践し、人を乗せた救助ボートを操る動きを確認していた。

 両本部では毎年、水難事故の際に安全で円滑に協力した活動ができるよう、静水面(池、湖など)と流水面(河川など)で年1回ずつ合同訓練を実施している。岩倉峡は、木津川が同じ伊賀盆地を流れてきた柘植川、服部川との合流直後に川幅が狭くなる箇所で、岩場があり流れが速くなっている。

人を乗せた救助ボートを岸に近づけようとする隊員たち=同

 参加した隊員たちはこの日、午前9時半から正午ごろまでの間、浮力が大きく低下する「ホワイトウォーター」(岩や落差によって水が空気を多く含んだ状態)の箇所を流されたり、流れの緩やかな場所を目指して岸まで泳いだり、流れに対して斜めに向けたボートを流水圧を利用して岸へ近付ける手法を確認したりしていた。

 両本部によると、過去5年間に両市内で発生した救助事故件数は498件で、このうち水難救助は4・4%に当たる22件だった。

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