【南署長(左)から感謝状を受け取った太田さん(左から2人目)と竹内さん(同3人目)。右は川邊幸伸局長=伊賀市上野丸之内で】

 携帯電話で通話をしながら慌てた様子で来店した女性に声を掛け、架空請求詐欺を未然に防いだとして、三重県警伊賀署は7月3日、日本郵便上野郵便局(伊賀市上野丸之内)窓口営業部の竹内孝行さん(41)と部長の太田理喜さん(47)に感謝状を贈った。

 同署などによると、今年6月12日午後2時50分ごろ、市内に住む70代の女性が窓口を訪れ、事情を聴いた竹内さんに「NTTから携帯電話にメッセージが届き、48万円を支払わないと民事裁判になると言われた」などと説明。「詐欺では」と直感した竹内さんは太田さんに相談し、「完全に詐欺だとわかった」太田さんは、女性の携帯電話に再度かかってきた電話に強い口調で「詐欺だろ」と出たところ、30秒ほどの無言の後に通話が切れたという。

 2人に感謝状を手渡した南幸輝署長は「警察などでも啓発活動を行っているが、こうした事案はなかなか減らない。一声掛けて頂くことで詐欺だと気付けるケースもあるので、水際で防いで頂き感謝申し上げる」と謝意を伝えた。

 感謝状を受けた竹内さんは「電話で『振り込まないと裁判に』と言われたと聞き、これはおかしいと思った。振り込まれなくてよかった」、太田さんは「特殊詐欺事件が多くなってきている中、職員の研修も実施している。こうして未然に防ぐことができてよかった」と思いを話した。

 同署によると、県内では特殊詐欺事件が昨年と比べて増加しており、今年1月から5月までに107件、約2億360万円(前年同期比55件増、同約6500万円増)。同署管内では同時期に5件(同4件増)、約3710万円(同約3610万円増)の被害が出ているという。

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