【大輪の花を咲かせたササユリ=伊賀市波敷野で】

 三重県伊賀市の市花「ササユリ」が、同市波敷野の稲林武久さん(80)方の庭で、今年も直径15センチの大輪の花を咲かせた。10株が植えられ、淡いピンク色の花から爽やかな甘い香りが周囲に漂った。

 ササユリは、初夏に開花するユリ科の多年草で、葉の形がササに似ていることが名前の由来とされている。かつては里山でよく見られたが、近年は山の荒廃で数が激減しているとされ、県のレッドデータブック(2015年)では準絶滅危惧種に指定されている。

 稲林さんによると、所有する田んぼの一角で20年以上前から見守ってきたが、年々数が少なくなってきたため、3年ほど前に庭に移植し保護しているという。「子どものころはどこにでも自生していて、束で家に持ち帰ると母親が喜んで生けてくれた思い出がある。少しでも守り続けたい」と話した。

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