【焼き上がったパンを手にする坂さん=名張市蔵持町里で】

ユニークな投稿動画人気

 「こん“ぱん”は、パン職人の『ななぱん』です」。明るい声で、動画投稿サイト「ユーチューブ」で呼び掛けているのは、三重県名張市蔵持町里の坂奈々美さん(23)。「いずれは開業を」とパン作りを楽しんでいる。

 作るのも食べるのも大好きだったというパン。地元で開業する夢を抱き、上野高校を卒業後、資金を貯めようと1年間働いた。その後、県内のパン店で2年働き、バゲットなどのハード系や自家製酵母を使用したパン作りも学びたいと、広島、鳥取、長野、群馬など国内の気になった店に頼み、最短で1日、最長で3か月の〝研修〟をさせてもらった。

自宅で教室も

 動画投稿を始めたのは、広島に滞在していた21歳の時。投稿は週1回のペースで、さまざまな店での経験から習得したレシピを公開したパン作りの様子や、食パンの食べ比べなど、ユニークな内容が人気を呼んでいる。

 また、動画を見た知人から「教えてほしい」と頼まれることも多くなり、半年前からは不定期ながら自宅でパン教室を開くようになった。書物や大好きな器を並べた〝工房〟でリクエストに応じたものを教える「寄り添い型の教室」だといい、生地をこねる台は手先の器用さを生かして手作りした。皆で一緒に作ってワイワイと食べるのが楽しいそうで、東京や名古屋、大阪など遠方からも足を運んでくれるそうだ。

「海外のパン屋にも」

 「国内の有名なパン屋は行き尽くしたので、今度は海外のパン屋に行ってみたい」と坂さん。更に「大人数のパン教室もしてみたい」と、やりたいことはいっぱいだ。

 インスタグラムも「ななぱん」の名で開設しており、「一度、ユーチューブかインスタをのぞいてみてください」とほほ笑んだ。

2023年6月10日付845号2面から

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