【寄贈した児童書を手にする上島さん(右端)=名張市で】

 三重県名張市蔵持町芝出の名張警察署1階ロビーの一角に、約30冊の児童書が並ぶコーナーが登場した。来庁した子どもが退屈しないよう、元警察官で同署の警察安全相談員、上島好彦さん(71)が5月に本を寄贈した。一部の署員からは「上島文庫」と呼ばれている。

 同署には免許更新や拾得物の手続きなどで、親と一緒に子どもも訪れることがある。手続きにかかる時間は10分程度でも、子どもにとっては退屈な様子で、待ち時間に楽しめる本を充実させようと寄贈を決めた。

 寄贈した児童書は、現在小学3年の上島さんの孫が幼稚園に通っていたころに読んでいたもので、「ごんぎつね」など、さまざまな種類が並んでいる。

 上島さんはこの他、同署の入り口に自宅から持ってきたコチョウランを置いている。コロナ禍に始めたそうで、過去には自ら育てたカンランやシュンランも置いていた。上島さんは「コチョウランの花言葉は『幸福』。警察署を訪れる皆さんに少しでも和んでもらえたら」と話した。

名張署の入り口にあるコチョウラン

※記事は5月31、6月1日に株式会社ユーで職場体験学習に取り組んだ市立赤目中学校(箕曲中村)の2年の芦田志帆さんと橋本あこさんが取材・作成しました。

2023年6月10日付845号20面から

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