【削岩機を使ってコンクリート床をはつる消防隊員=伊賀市で】

 三重県伊賀市で5月17日、消防連携・協力協定に基づく震災救助の合同訓練があった。参加した伊賀と名張両市の消防隊員計18人が解体予定建物の床を破壊し、救出時に必要な開口部を設ける作業などに取り組んだ。

 昨年1月の協定締結以降、合同訓練の実施は5回目で、今年度は初めて。会場になった伊賀市上野桑町の旧介護老人保健施設ではまず、救助現場に後から到着した他の隊や警察、自衛隊など別の機関と情報共有ができるよう、壁に赤色のスプレーで活動の開始と終了の日時、生存者数や行方不明者数、倒壊など危険情報を記載する活動標示(マーキング)を実施した。

 建物内に取り残された人を捜し出し、救出するための開口部をつくる訓練では、6人1組が3班に分かれて活動。進入や退出する隊員と救出者らを搬送するバスケットストレッチャーが通るよう、一辺が90センチの三角形を目印に切れ込みを入れ、エンジン式の削岩機やカッターなど救助資機材を使い、厚さ約17センチの2階床の一部を破壊した。

 訓練後の講評で、伊賀消防署の藤生正樹・管理課長は「実際の建物を使った貴重な訓練になった。お互いの意識や技術が共有できた」と話した。

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