三重県伊賀市の農業観光施設「伊賀の里モクモク手づくりファーム」で4月27日、テロ対策の合同訓練があった。来月に「G7広島サミット」、6月に「G7三重・伊勢志摩交通大臣会合」が控えており、伊賀署が官民連携でテロの未然防止に向けた機運を高めようと呼び掛けた。
訓練は同署を始め、伊賀地域にある23の機関・団体で組織する「テロ対策伊賀パートナーシップ」による取り組み。この日は同ファームの宿泊施設でモデル事業所の指定式もあった。
不審人物が宿泊を申し込むという想定の訓練は、大量の荷物と一緒に薬品類を持ち込もうとするケースと、片言の日本語しか話せない外国人が他人名義のパスポートで手続きしようするケースで実施。警察に通報する場面では参加したフロント担当の男性従業員が不審人物とのやり取りや車のナンバーなどを簡潔に伝えていた。
同ファームの農業公園では農産物の生産、加工、販売を始め、飲食店や温浴施設、体験教室などがあり、来場者は家族連れを中心に年間約30万人、宿泊利用も同約2万2000人に上るという。モデル事務所に指定され、訓練会場になった同社の松尾尚之社長は「警察への速やかな通報など対策に全面協力していきたい」と話した。
同署警備課の小西幸宣課長は講評で「テロはいつどこで起こるか分からない。パートナーシップの関係者とこれまで以上に緊密な連携をとって対策に注力したい」と協力を求めた。
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