【記念セレモニーに出席した杉浦頭取(右から3人目)や岡本栄伊賀市長(同4人目)ら=伊賀市役所で】

 空き家の増加で中心市街地の空洞化が進む三重県伊賀市で4月25日、古民家など歴史的資源を活用した観光まちづくり事業として同市が出資する分散型城下町ホテルの運営会社に対し、百五銀行(津市)など官民連携のファンドが投資を決定した記念セレモニーが開かれた。

 投資先は「NOTE伊賀上野」(伊賀市上野相生町)で、2020年11月に「NIPPONIA HOTEL伊賀上野城下町」を開業。第1期開発では古民家など3棟を客室10室やレストランに改修し、国内外から訪れる観光客を受け入れている。

 投資を決めたのは、国土交通省の所管でまちづくりファンド支援事業を手掛ける「民間都市開発推進機構」(東京都江東区)が地域の金融機関などと連携しそれぞれ出資する21年12月設立の「アセットリノベーションファンド」で、これまでに投資しのは茨城県つくば市、奈良県御所市、広島県尾道市での事業で、伊賀市が4件目。城下町ホテルの第2期開発では同市上野中町の古民家を4棟目として店舗と客室3室に改修する計画。

 ファンドの投資規模は数億円で、政府系金融機関の日本政策金融公庫も融資する。伊賀市は4棟目の改修に補助金で約2000万円を支出するが、第1期開発ではメイン棟の市有施設「栄楽館」(上野相生町)の改修費約8400万円に加え、民間の2棟を改修する費用の一部計約3300万円を補助している。

 セレモニーで、百五銀行の杉浦雅和頭取は「歴史的資源である古民家を活用した伊賀市ならではのプロジェクトが地域社会の活性化につながると考えている」と話し、NOTE伊賀上野の藤原岳史社長は「ホテル全体としては社会情勢や売り上げの状況を見ながら20室から30室まで増やしていきたい」との考えを示した。

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