三重県伊賀市予野の八重桜公園で4月23日、古くから和歌や俳句に詠まれるなどして親しまれてきた「花垣の八重桜」の後継樹を前に、4年ぶりの観桜会が開かれた。
観桜会は予野八重桜保存会の主催で、100年以上前から開催されているという。花垣の八重桜は、一つの花に雌しべが2本あるカスミザクラの一種。珍しい花として奈良時代に朝廷に献上され、桜を守るための「花守」を朝廷が派遣したと伝わる。
八重桜の原木は、老朽化に伴い後継樹が植えられてきた。現在の木は、土壌改良などを経て2006年に植えられた4代目。今年は16日ごろから咲き始め、4月末まで楽しめるという。また、19年の公園の拡大工事に合わせて植えられた、他品種の桜約20本も観賞できる。
この日は、岡本栄市長と地元のご当地キャラ「いが☆グリオ」をゲストに迎え、参加した地元住民らは食事や桜の観賞をした。保存会の森中祐作会長(69)は「コロナ禍でさまざまな行事が滞っていた。地区に元気を与えたい」と話していた。
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