大阪を拠点に活動するガラスアーティスト、幸小菜さん(22)の初個展「紡ぐ硝子」が4月15から23日まで、三重県伊賀市上野忍町の武家屋敷赤井家住宅で開かれる。
幸さんは上野高校出身。大阪芸術大学在学中に、SNSで見たガラス作品に興味を持ち、酸素バーナーを使ってガラスを成形するバーナーワークの教室にも通った。好きだった日本舞踊や茶道から感じる「無駄のない美しさ」「和柄の幾何学模様」とガラスを合わせた「自分にしかできないものを」と、試行錯誤しながら創作を続けた。
基本的にこだわるのは「透明なもの」。透かすとさまざまな色が写り込み、見る人によって受け止め方も変わるのが魅力だという。また、在学中にはグループ展への出品やテレビの番組で紹介してもらうなど、活動の場を広げた。
作品のメインとなるのは「折り鶴」。1羽1羽、模様の組み合わせや開き具合が違う繊細な作品だ。幼いころに遊んだ折り紙がものづくりを始めるきっかけで、1枚の紙が意味を持つものへと変わることに心動かされた経験が創作の原点にあるそうだ。
今回の個展では、この折り鶴作品を含んだアクセサリーからオブジェまで、100点余りを出展予定。伊賀地域では初披露なため「地元の人に感謝を伝える展示にしたい」と語る。
主催する伊賀市文化都市協会の担当者は「歴史ある建築物を会場に、輝くガラス作品を堪能してほしい。また、これを機に若い作者がステップアップしていく様が楽しみ」と来場を呼び掛けながら、幸さんの今後にも期待を寄せている。
時間は午前10時から午後5時(最終日は同4時)まで。入場無料、水曜休館。販売もある。
問い合わせは同協会(0595・22・0511)まで。
2023年4月8日付841号16面から
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