三重県伊賀市種生の種生神社の境内にあるサルスベリの古木から、ヤマザクラの花が咲いた。不思議な光景に、神社関係者が驚いている。
サルスベリは、中国南部原産のミソハギ科の落葉中高木。漢字で「猿滑り」とも書き、樹皮が剥けやすくつるつるしていることから名がついた。夏から秋にかけて長期間咲くことから「百日紅」とも呼ばれる。
同神社のサルスベリは2つ目の鳥居の脇にあり、高さは5メートルほど。毎年8月ごろにピンク色の花を咲かせる。
この冬、川合敏夫宮司がサルスベリの幹の途中から桜のような枝が出ているのに気付いた。見守っていたところ、4月4日の朝に白い花が数輪ついているのを見つけた。
川合宮司は「今年、初めて見て驚いた。幹の中を、ヤマザクラの木が通っているのかもしれない」と推測する。この木には、赤い実をつけるマンリョウも宿っており、「1つの木で複数の植物が仲良く暮らす、共存共栄の関係がある」と話した。
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