火災による119番通報で「自分がどこにいるか」「何が燃えているか」など、必要な情報がうまく伝達されず、結果的に出動回数や時間が増加してしまうケースが伊賀地域でもみられる。三重県伊賀・名張両市の消防本部によると、出動態勢に影響が出る状況ではないが、通報時は可能な限り正確な情報を伝えるよう呼び掛けている。

 両本部によれば、特に走行中の車や電車内からの通報や土地勘の無い場所での通報の場合、目印となる建物や公共施設など場所を特定できるものが見つからなかったり、詳しい状況を聞くために折り返し電話をかけてもつながらなかったりするケースがあるという。

 2月下旬、伊賀市内の国道368号を車で走行中の人から「トラックから煙が出ている」と119番通報があり、市消防本部から指揮隊も含め車両3台が出動したが、通報にあった目標物だけでは検索範囲を南北約1・5キロまでしか絞り切れず、該当車両は発見できなかった。

 新型コロナの感染拡大・まん延などに伴い、全国的に搬送件数の増加や長時間化などで、依然として救急隊員の業務ひっ迫が叫ばれる折でもあり、両本部では「緊急時は誰でも慌ててしまいがちだが、自身の安全を確保し、しっかり確認して通報を」と呼び掛けている。

2023年3月11日付839号23面から

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