【会見で頭を下げる齊藤校長(右)ら=名張市役所で】

 三重県名張市の近畿大学工業高等専門学校(春日丘7)は2月28日、硬式野球部(高校)の男性コーチ(25)が部員に対し「不適切な指導」を行っていたと発表した。学校を運営する学校法人近畿大学は懲戒委員会を開き、24日付でコーチに厳重注意の処分を行った。

 同校によると、保護者を名乗る人物からの投書をきっかけに、1年から3年の部員63人や監督らに行った調査で判明。コーチは2020年8月ごろから23年1月までの間に「胸ぐらをつかむ」「小突く」「グラウンドで正座強要」の行為を22人の部員に計36件、「精神的苦痛を受けるレベルの暴言」を多数の部員に日常的に行っていたという。

 コーチは国語と社会科の非常勤講師で、20年4月に着任。今年1月12日以降は部の練習に参加しておらず、契約満了に合わせて3月31日付で退任する。学校側の聞き取りには「もっと頑張れという思いでやった」などと話し、現在は反省しているという。

 コーチの他、事案を受けて硬式野球部の部長と副部長、監督に訓戒、校長に厳重注意の処分が行われた。指導体制の見直しのため、部長と副部長の交代も予定しているという。

 市役所で会見した齊藤公博校長は「部員、保護者、関係の皆さまに多大なご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした」と頭を下げた。今後、再発防止のため全ての部活指導者と教職員計約50人を対象にハラスメントに関する研修会を3月中に実施する他、学生へのカウンセリングも検討しているという。

 また同校は、2月28日に県高野連に事案について報告書を提出したという。

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