【納屋をリフォームしたカフェスペースを案内する土堀さん(右)と直子さん=伊賀市比土で、2枚とも】

 長年手つかずで物置と化していた築100年の納屋を趣味の空間に生まれ変わらせるべく、2年半ほど前から自力でリフォームを進めてきた、三重県伊賀市比土の土堀寛さん(61)、直子さん(59)夫妻。時間はかかったが、音楽やハンドメイド雑貨など、それぞれに楽しめる場が出来上がりつつあり、「暖かくなるころにカフェやバーとしてオープンできるかな」と考えている。

 2015年から静岡県へ単身赴任していた土堀さんが20年初めに帰省。子どもも手を離れ、2人それぞれに「趣味の部屋ができたらいいな」と思っていたそうで、ともに日曜大工などの経験は少なかったが、まずは休日を利用して片付けから取り掛かった。

 40平方メートルほどの広さの納屋は、土堀さんにとってはかつての勉強部屋で、昔は屋根裏で養蚕を行っていた。古くはあったが、はりや柱は太く立派で、屋根瓦も傷んでいなかったことが幸いしたという。

 技術的なノウハウは、もっぱら動画サイトで習得したそうで、天井のしっくい塗りは2人で力を合わせ、石こうボードや壁紙も地道に施工。東側は木製のカウンターや椅子を配してカフェスペースに、西側には直子さんのハンドメイド品や雑貨などをディスプレーした。屋根裏は一部をロフトのように残し、大部分は開放感ある高い天井に。トイレの設置には半年を要したが、化粧台を分解して洗面台にしつらえた。

 配管工事を依頼した業者には「まとまりがない」と評されたが、「まとまりがないのが逆にいいところ。設計図も無く自分たちで作ったから、変えたり直したりするのも気を遣わず気楽」と笑う2人。「ワークショップやイベントなどの拠点にもなるので、地元の人たちや子ども連れなど誰もが集まってもらえる場にしていきたい」と展望を語った。

雑貨などが並ぶコーナー

2023年2月11日付837号3面から

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