【切り出したヒノキの皮をはぐ「伊賀一ノ井松明講」の講員ら=名張市赤目町一ノ井の極楽寺で】

 奈良・東大寺二月堂の「お水取り」(修二会)で使用するたいまつを毎年寄進している、三重県名張市の伊賀一ノ井松明講(森本芳文講長)の講員らが2月11日、山からヒノキを切り出して加工する「松明調製」の作業に汗を流した。

ヒノキを抱えて山を下りる高校生たち

 この日参加したのは講員の他、市民団体「春を呼ぶ会」のメンバー、名張高校サッカー部員など約80人。同市赤目町一ノ井の極楽寺(中川拓真住職)を拠点に、午前8時ごろから同寺南方の通称「松明山」に入り、樹齢70年前後のヒノキ2本を伐採し、丸太に切り分けて境内へ運搬。法要の後、チェーンソーで丸太を長さ36センチに切り、なたで皮をはいで幅9センチの板状に切りそろえていった。

切り倒したヒノキをチェーンソーで丸太にしていく作業

 ボランティアとして高校生が参加するのは3年ぶりで、森本講長(72)は「高校生たちには、安全面にはくれぐれも注意するよう伝え、無事に作業に取り組むことができた。長く続いてきた行事を欠かしてはいけないという思いを持って、今年も東大寺へ届けられたら」と話していた。

法要の様子

 円柱状に組み上げられたたいまつは、例年であれば3月12日の「松明調進行事」で運ぶが、今年は同10日の法要を経て、4月13日に東大寺へ届ける予定だという。

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