【千本ぎねで高々と餅を掲げる講員ら=伊賀市島ヶ原で、4枚とも】

 三重県伊賀市島ヶ原の観菩提寺正月堂で毎年営まれる伝統行事「修正会」を控えた2月9日、行事に参加する住民組織(講)の一つ「元頭(えとう)村」の講員らが、2日後の11日に奉納する餅(大餅)を、昔ながらの千本ぎねで手際良くつき上げた。

千本ぎねでついた餅を半切りに移す

 この日は午前8時すぎから、稲増靖宏さん(65)方に講員ら約10人が集まり、3升から6升までサイズの異なる5段分の大餅を順につき、ほぼつき上がると「エトー、エトー」の掛け声とともに、きねで高くかざした。途中、島ヶ原保育所の園児ら約20人が見学に訪れ、「いいにおい」「お餅見えた」などと目を輝かせていた。

餅つきと並行し、鬼頭(右手前)などの供物も準備する

 講員らは同時に、シュロの繊維で成形し、栗やダイコンなどで耳や鼻を作った節句盛(鬼頭)、花に見立てて桜の若木に餅を付ける「成花」など、大餅とともに奉納する供物の準備も進めていった。

 現在7つある講のうち、4軒で構成する元頭村だけが千本ぎねでつく伝統を今も守っているが、担い手を増やしていくため、近年は親類など5軒ほどが講員に準じる形で参加しているという。

千本ぎねで高々と餅を掲げる講員ら

 今年初めて講の代表「頭屋」を務める田中利也さん(70)さんは「コロナ禍でなかなか先の見えない状況だが、必要な感染対策を講じながら、出来るだけ本来の祭りの姿でやれたら」と話していた。

 11日は、供物を携えて地域を練り歩いた講員らが本堂に練り込む「大餅会式」、12日には、僧侶が堂内でたいまつを振りかざす結願法要「おこない」がある。

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