【雪が舞う中、完全に凍結した大日滝=名張市赤目町長坂で】

 三重県名張市の赤目四十八滝渓谷(赤目町長坂)にある大日滝で、滝が凍り付く「氷瀑(ひょうばく)」が見頃を迎えている。完全な凍結は2年ぶりで、1月27日にはSNSなどで知って訪れた人たちが、冬の自然が織りなす芸術に息をのんで見入っていた。〈YouTubeでショート動画(https://youtube.com/shorts/Fo0rw8fYeSU?feature=share)〉

 大日滝は標高約430メートルで、渓谷入り口(日本サンショウウオセンター)から遊歩道を15分ほど歩き、急な山の斜面をロープ伝いに15分ほど登ったところにある。2段の滝から成り、下段の落差約30メートルの滝全面が凍り付いた圧巻の光景を見ることができる。

 赤目四十八滝渓谷保勝会によると、今年初となる氷瀑を確認したのは、強い寒波の影響があった25日。その後も氷の厚みは日に日に増しており、最低気温が氷点下となることが予想される今週末も続きそうだという。

 インスタグラムで氷瀑を知り、市内から訪れたという団体代表の野山直人さんは「まさに迫力しかない。9年前に大阪・奈良からUターンし、氷瀑を見るのは初めてだが、素晴らしいものが名張にあると改めて感じた」と話した。

 大日滝が凍結するのは、岩肌に風が当たり、日照時間が短いことなどが影響しているという。同保勝会理事長代理の増田成樹さんは「水が平べったく落ちるので、製氷機のような原理で凍る。このような標高、緯度で凍結する滝は珍しい」と話す。

 同会は「訪問時は滑り止めの持参を。滝の氷は気温が上がると一気に崩れるので注意を」と呼び掛けている。予約制でガイド付きのツアーもある。

 問い合わせは同保勝会赤目自然歴史博物館エコツアーデスク(0595・64・2695)へ。

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