【5匹のウサギが飛び出す作品を仕上げた藤木さん=名張市赤目町柏原で】

 カードを開くと、干支のウサギが飛び出す―。「仕掛け絵本」で知られるポップアップアートなどの造形作家、三重県名張市赤目町柏原の藤木薫さん(52)の作品だ。

 1年ほど前に京都から移り住んだ藤木さんは、京都市立芸術大学の彫刻専攻を卒業。彫刻や絵画、焼き物などさまざまな造形作品を手掛けてきたが、子育てなどで忙しくなり、作家活動はしばらく中断していた。しかし、自然豊かで人情味豊かな名張をすっかり気に入り、創作活動の意欲がふつふつと湧いてきたという。

 造形の中でもポップアップアートの分野に魅かれたといい、これまでヒマワリやストレリチア(極楽鳥花)などの花の作品を中心に作ってきた。「カードを手にした人に『自分の花を咲かせてほしい』という思いで制作している。あまり色彩を使わず、紙を立体で表現する複雑なメカニズムとダイナミックな動きをシンプルに表現したい」と話す。

 子ども向けの絵本に限らず、大人向けの誕生日カードやクリスマスカードなどをより豪華なものにするポップアップアート。「今後は花だけでなく、植物や樹木が若芽や枝をぐんぐん伸ばしていく様子を白一色で表現したい」と話す。

 2月20から26日まで、赤目四十八滝に近いカフェ「長坂のKakashi」で作品展「カオルコ」を企画しており、20点ほどの作品を展示。「多くの方に見て頂きたい」と話していた。

藤木さんが作った花のアート作品=同

2023年1月14日付835号3面から

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