【耐震改修工事を終えた明治校舎(県教委提供)】

 1900年に築造された三重県立上野高校(伊賀市上野丸之内)の明治校舎が耐震改修工事を終えたのを記念し、1月21日に一般公開する。申し込み不要。

 旧県第三中学校の時代に建てられた明治校舎は東西に長い、コの字型の木造平屋建て、延べ面積約970平方メートル。県内の旧制中学4校のうち、唯一現存する建物で、国重要文化財の旧県庁舎(愛知県の明治村に移築)などを手掛けた県営繕組織の技術者、清水義八氏が設計した。外観の意匠では正面中央の玄関ポーチに3本ずつ洋式円柱を配置し、主屋の壁に建てた半円柱の間には若葉の彫刻を装飾している。

建物正面の玄関ポーチ=伊賀市上野丸之内

 2021年11月に始まった耐震改修の工事費は約4・2億円。県教育委員会がまとめた保存管理計画書によると、明治校舎は1969年の創立70周年時に管理棟として鉄筋コンクリート造の校舎に建て替えると発表したが、地元などから保存を求める声が高まり、計画を変更。89年に県の有形文化財(建造物)に指定された。北側にあった校長室や職員室など創建時の校舎は撤去され、70年に現在の普通教室棟が建てられた。

 一般公開は午前10時から午後4時まで。午前10時と11時、午後1時、2時、3時の計5回、工事概要や文化財的価値について約10分の説明会が明治校舎内のHAQUAホールである。新型コロナ感染症拡大の状況によって中止の場合がある。中止の場合は20日午後5時までに上野高ホームページ(http://www.mie-c.ed.jp/hueno/)に掲載する。

 問い合わせは県教委高校教育課(059・224・3002)へ。

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