【護摩をたく火と煙で祈願札を浄める僧侶=伊賀市古郡の常福寺で】

 健康で安全な新年を過ごそうと、三重県伊賀地域の神社や寺院で1月3日、護摩祈祷(きとう)や獅子神楽の奉納などの行事があった。

 伊賀市古郡の常福寺(織田杲深住職)では、家内安全などを祈願する恒例の「初祈祷護摩供」があり、午前9時からの1回目の祈祷には約30人が訪れた。願主の氏名や祈願の内容が順に読み上げられ、6人の僧侶が般若心経や観音経を唱える中、護摩木をたく火や煙で祈願札やお守りなどを清めた。

 祈祷終了後の講話で、織田住職は「今日あることの喜びは、過去を大切にすればこそ。皆さんが心を新たにされ、明日への希望が成就できるように」と語っていた。祈願に訪れた名張市の50代男性は「一番に願うのは健康のこと。世界情勢も含めて皆が平和に暮らせるといい」と話した。

獅子神楽保存会による「鼻高」の様子=伊賀市一之宮の敢國神社で

 同一之宮の敢國神社(太郎館学宮司)では、年3回奉納される獅子神楽(県無形民俗文化財)の「舞初祭」が午前11時30分から拝殿で行われた。午後0時30分からは保存会の会員たちが境内で「広前」、剣を携えた「剣の舞」、天狗役が獅子を起こそうとする「鼻高」などを披露し、参拝した人たちがカメラを構えるなどしながら見入っていた。

わらの束を編み込んでいく「長老講」の関係者ら=伊賀市白樫の岡八幡宮で

 同白樫の岡八幡宮(大井貞夫宮司)では、7日に行われる恒例の「山の神祭」に向け、神社役員や祭りに関わる「長老(おとな)講」の関係者らが長さ4メートルほどのしめ縄を編み上げた。午後1時ごろから男性5人が作業に取り掛かり、地元で栽培した稲のわらを継いで3本の束にし、10センチほどの太さに仕立てた。約1時間後、完成したしめ縄は、拝殿北側にある山の神の堂前に張られた。

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