【作業用エプロンを着た三島社長(左端)と家里さん(左から2人目)ら=名張市八幡で】

 三重県名張市八幡の自動車部品製造「ボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパン」は12月23日、壊れたおもちゃを修理するボランティア「名張おもちゃ病院」に、3Dプリンターで修理用の部品を製造する支援を開始した。

 おもちゃ病院の「物の大切さを子どもたちに伝える」との考えに賛同し、支援を決めた。3Dプリンターは自動車部品の試作品などに使うもので、シリコンや樹脂製品が製造できる。修理に足りない部品があった際、おもちゃ病院が同社に依頼し、設計から無償で行うという。

 2010年から始動したおもちゃ病院では、メンバー7人が毎月第一日曜に箕曲市民センター(同市夏見)で活動している。持ち込まれるのは鉄道玩具やラジコンカーなど電動玩具がほとんどで、内部のギアが欠けて動かなくなるといった問題を抱える。これまでに1900件ほどの修理を受け、そのほとんどを直してきたが、1割ほどは適した部品が入手できず、修理を断念することもあったという。

 この日、おもちゃ病院の家里豊喜子代表ら3人が同社に集まり、三島邦彦社長から3Dプリンターの機能について説明を受けた。三島社長は「直らなかったおもちゃを、世の中に戻すお手伝いができればうれしい」と話し、支援の趣旨を書いた覚書と、おもちゃ病院で使う作業用エプロンを手渡した。

 家里代表は「古いおもちゃは珍しいサイズのギアが必要なことが多い。直せることを楽しみにしている」と期待を寄せた。

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