屋根より高い赤い菊　4メートルに成長　伊賀市の日原さん方

　三重県伊賀市上野福居町の日原博美さん方の庭先には、4メートルほどに成長した菊が30ほどの赤い花を咲かせた。生垣から顔を覗かせる菊を見た近所や道行く人からは、驚きの声が上がっている。

　20年ほど前から花や庭木を育てている日原さんは約3年前、市内のホームセンターで購入した3株の菊を日当たりの良い庭に植えた。

　以降、例年10月中旬には高さ1メートルほどに成長して花をつけるが、今年は1株だけ開花せず、茎だけがぐんぐんと伸びていったという。倒れないように支柱を立てて成長を見守り、ようやく咲いた11月末には、1階の下屋に届く高さになっていた。

　菊は毎年、咲き始めたころに切り花にするそうだが「今年は花を切るのも大変」と苦笑。「特別な育て方はしていないのに」と不思議そうに花を見上げた。

　京都府立植物園（京都市左京区）によると、菊は日照時間が短くなると花を咲かせる「短日植物」で、夜間に光が当たると開花の時期が遅れるそうだ。街頭などの光や何らかの気候条件が原因で咲き始めが遅れ、それだけ伸びたのではと推測した。

2022年12月10日付833号1面から