【名張市役所=同市鴻之台1】

 三重県名張市の市道の側溝設置工事で、所有者不明の管を十分に確認せず切断し、中の通信線を損傷させる事故が発生していたことが12月12日、わかった。管はNTT西日本三重支店所有の設備で、市は損害賠償を巡る和解案を開会中の市議会定例会に追加提出した。

 市道路河川室によると、事故は2021年9月29日午後3時ごろ、市が発注した同市西原町の市道西原開拓線道路路側整備工事で発生。通学路の安全確保のため、路肩を広げる工事が行われていた。

 施工業者が道路を掘削したところ、直径10センチ程度のポリ塩化ビニール製の管が地中から出現し、機械で一部切った箇所から水が噴出。作業員は通信線ではないと思い込み、NTTなどへの照会をしないまま切断作業を進めてしまった。通信線の損傷時、現場に駆け付けた市職員も立ち会っていた。

 図面では、付近にNTTの管があることが示されていた。異常を知ったNTT関係者が駆け付けたが、事故による周辺住民への影響などはなかったという。

 和解案は、損害賠償額約257万円のうち、通信線の損傷に関する約243万円を市と施工業者が2対8の割合で負担する。市の負担額は48万7274円で、産業建設委員会に審査が付託された。

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