三重県名張市消防本部は12月12日、妊娠中の職員が着用できるマタニティー制服を導入し、運用を開始した。腹部がゆったりとしたワンピース型で、色は通常の制服と同じ濃紺。右胸には階級章を付けることができる。
消防職員数は113人で、うち女性は3人。これまで妊娠中の職員には希望に応じて私服の着用を認めていたが、2018年に同市初の女性消防士として採用された名張消防署救急室の大山優さん(28)が今年6月に要望を出し、導入が実現した。
大山さんは妊娠中で、今は事務仕事に当たっている。2年前の第1子妊娠時は私服で勤務しており、「制服で働く職場なので、馴染みにくさを感じていた」と振り返る。この日、マタニティー制服で仕事に臨み、「気持ちの面で全く違う。市民の対応をする時も、消防士として認識してもらいやすくなる」と話した。来年3月に産休に入る予定で、それまではマタニティー制服を着て勤務を続けるという。
同本部によると、県内15消防本部のうち、津市、四日市市、伊勢市の3消防本部が既にマタニティー制服を導入しており、名張市は4例目。消防総務室の担当者は「女性消防職員が、より働きやすい職場にしていきたい」と話した。
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