【どぶろくの仕込みをする会員たち=名張市で】

 国のリカーチャレンジ特区に認定されている名張市で、市民団体「名張どぶろくを楽しむ会」による、どぶろく造りが今年も始まった。地元産の米や地下水を使って醸造した「吉左衛門」の完成は、12月中旬を見込む。

 同会は、酒類醸造を規制緩和する特区に同市が認定された2015年に発足し、現在の会員は約40人。原材料は蔵持地区の井戸水、同市新町の酒店が造った麹、米は同市長瀬で稲作をする会員が提供している。

 昨年まではコシヒカリだけだったが、今年は幻の酒米と称される「亀の尾」の栽培にも挑戦。栽培が難しいとされるなか、秋に無事、収穫を迎え、今年のどぶろく造りで初めて使うことになった。

 仕込みは11月15日に開始。蒸した米を台の上で広げて冷ましてから、水と麹を合わせた鍋に移し、酵母を加える。毎日混ぜ続け、アルコール度数12から13度になったのを確認してから、伊賀市のガラスメーカー製造のハート形の瓶に詰めるという。

 今年はコシヒカリを使ったものと亀の尾を使ったもの2種計50本分を醸造しており、価格は500㍉リットル入り1本1650円(税込)。完成し次第、名張市緑が丘東の「どぶろくhouse(ハウス)」で販売する。

 副会長の山下隆子さん(67)は「いつも多くの方が期待してくださる。地元の原材料にこだわったどぶろくを、正月に楽しんで頂きたい」と話した。

 問い合わせは山下さん(0595・64・1750)へ。

2022年12月10日付833号26面から

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