開窯から約半世紀、伊賀焼作家として知られる三重県伊賀市長田の新歓嗣さん(78)が、12月10日から同18日まで同市上野丸之内のギャラリー是空で個展「陶匠 新歓嗣の世界」を開く。伊賀焼ならではの、褐色の土と釉薬や焼成が生み出す淡い緑が、伝統的かつ独自の世界をつくり出している。
大阪府出身で、1968年に大阪芸術大クラフトデザイン陶芸科を卒業後、福祉施設の工芸科の指導員として就職。3年後に岸和田市で工房を開いて作陶を始め、75年に転居した現在地で「三軒窯」を開いた。日本伝統工芸展や新匠工芸会などでの受賞、大阪、東京での個展も回数を重ね、2020年秋には新型コロナの退散を願い、伊賀焼の「アマビエ」を伊賀市に寄贈した。
今回は、20年ほど前から作っている、自身が「土人形」と呼ぶ人形の作品を多く出品予定で、高さ10センチほどの小さな神仏像や地蔵の他、動物に乗った穏やかな表情の神像、天女や狛犬、高さ50センチほどの岩山のオブジェなど計約80点を準備した。
気軽に飾って
伊賀地域ではグループ展などへの参加はあったが、個展は初開催。新さんは「一般的にあまり見ないような像が中心。念を入れているわけではないので、飾る場所は選ばない。インテリアとして気軽に飾って頂けたら」と話していた。
時間は午前11時から午後6時(最終日は同4時)まで。入場無料。
問い合わせは同ギャラリー(0595・21・8818)へ。
2022年12月10日付833号2面から
- Advertisement -