【プロパンガスを輸送する車両をチェックする県職員=名張市西田原で】

 11月15日までの秋の全国火災予防運動の一環で、三重県警名張署と県、名張市消防本部は14日、同市の国道368号「上野名張バイパス」を走行するタンクローリーなど危険物輸送車両への立ち入り検査を実施した。容器のふたを閉めずにガソリンを運んでいた車両も見つかり、指導を行った。

 ガソリンや灯油などの危険物や高圧ガス、毒物といったものを運ぶ危険物輸送車両は、輸送中に事故が起きると人命や周辺環境に大きな危険を及ぼす恐れがある。そのため、安全管理のためのルールが法令で細かく定められている。

 検査は事故の未然防止のために毎年実施しており、この日は関係機関から約30人が参加。バイパスを走行する対象車両を警察官が近くの公園の駐車場まで誘導し、車体やタンクに異常がないか、積載方法が正しいか、携行が義務付けられた書類があるかなどを確認した。脱税目的で灯油や重油を混ぜた「不正軽油」の使用がないかもチェックした。

 プロパンガスのタンクローリーを運転中に検査に応じた60代男性は「何かあると大事故につながる。更に気を引き締めたい」と話していた。

 市消防本部によると、この日は午後2時から同4時までの間に危険物輸送5台と高圧ガス輸送2台の計7台を検査。このうちガソリンが入った携行容器のふたを閉めないまま荷台に乗せ運搬していたトラック1台に、消防が指導した。

 同本部予防室の川口賀典室長は「危険物は取り扱いを間違えると重大な事故につながる。安全基準を再確認し、交通安全にも気を付け、業務に従事して頂きたい」と呼び掛けた。

 伊賀市消防本部によると、10日にも名阪国道上野IC(守田町)付近で同様の立ち入り検査があり、車両6台を調べ、大きな不備は確認されなかった。

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