好天に恵まれた10月23日、三重県伊賀市で開かれている「上野天神祭」が本祭(神幸祭)を迎え、9基のだんじりや鬼、みこしなどが市街地を練った。新型コロナの影響で2019年以来3年ぶりとなっただんじり巡行や鬼行列などを見ようと、この日は市民や観光客ら約7万3000人(主催者発表)が沿道で見守った。
午前9時、行列はみこしを先頭に菅原神社東御旅所(同市上野車坂町)を出発。男性5人が担ぐ大御幣(ごへい)、鐘やおのを背負った「ひょろつき鬼」などの鬼行列などに続き、今年の一番くじを引いた上野東町の「桐本」を先頭に、鉦(かね)や横笛で祭りばやしを奏でる9基のだんじりが本町、二之町、三之町通りを夕方まで巡行した。
同神社近くで商店を営む年配男性は「久しぶりにだんじりや鬼を目当てに多くの人が来てくれた。楽しんでくれている顔を見るとこちらもうれしい」と行列を眺めていた。
また、前日の22日は「足揃(あしぞろえ)の儀」があり、鬼行列が三之町通りを東から西に練った。夕方からの宵山では、各町のだんじりにちょうちんを点灯し、祭りの雰囲気を盛り上げた。
同祭は国指定重要無形民俗文化財で、「上野天神祭のダンジリ行事」としてユネスコ無形文化遺産にも指定されている。新型コロナの影響で、2020、21年はだんじり巡行と鬼行列を行わず、神事以外は蔵などでのお囃子演奏、だんじりの試し曳きなどをするにとどまっていた。
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