【作品を紹介する米山さん=名張市黒田で】

 「竹でこうしたものができるんだと思ってもらえたら」。今にも飛び立ちそうなトンボやバッタ、カブトムシなどの昆虫を竹細工で作っている、三重県名張市黒田の米山徳一さん(76)。10月22日から26日まで同市元町のリバーナホール(イオン名張店3階)で開かれる市老人クラブ連合会「趣味の作品展」にも出品する予定だ。

 退職した十数年前、伊賀市内にある道の駅の地場産コーナーで竹細工の作品を見掛け、「面白い。自分にもできるのでは」と興味が湧いた。数年前、市内の親戚宅で竹を間引く作業を手伝った際に何本か竹を持ち帰り、最初は花生けや壁掛けを作ってみた。

 次に、丸みを帯びた四角い面を利用し、自分なりにカブトムシを作ってみた。作っていくうちに「子どもたちに喜んでもらえたら」と、トンボやバッタなども次々に完成させていった。

 足にする枝や節は火であぶり、曲げて本物らしく仕上げる。部品は接着剤で付け、完成すれば丸太を斜めにカットした自作の台に乗せる。使う道具は小刀のみで、つや出しニスをかけて仕上げるものもあるという。

 「現物を見ず、自分の記憶で作っていったので難しかったし、本物とは少し違っているかも」と笑う。作品は近所や知り合いの人にあげたり、自宅で飾ったりし、市内のとれたて名張交流館で販売したことも。「今後はスイッチが入ったらまた作りたい」と話した。

2022年10月22日付830号12面から

- Advertisement -