【リースやオブジェなどの作品を紹介する新田さん(右)と立岡さん=伊賀市朝屋で】

 「自然が豊かで野鳥の声が聞こえる、私の大好きな場所」。40年ほど前に三重県伊賀市朝屋の上野ニュータウンへ転居し、四季の花々に囲まれた〝フラワーライフ〟を送っている新田元子さん(85)は、「花風雅」と名付けた工房を構え、プリザーブドフラワーや木の実を使ったリース、オブジェなどを生み出している。

 大阪府富田林市出身で、別荘として建てた家が現在の住まい。気兼ねなくガーデニングができる広々とした環境だ。連れ添う立岡忠雄さん(81)とは旧知の中で、互いに伴侶を早くに亡くしたこともあり、ともに暮らすようになった。コロナ禍でも日帰りのドライブ旅行などにはよく出掛けるという。

造形美「愛しい存在」

 松ぼっくりやナンキンハゼ、ヤシャブシなど、それぞれの造形美が「愛しい存在」という木の実や、独特の形状をした流木を使った作品が特徴的で、リースは身近にあるツタを採集して加工して使う。細かい花びらが並ぶカイガラソウ(ヘリクリサム)は立岡さんが種から丹精込めて育て、新田さんが作品に仕上げる。各地で採集した木の実は兵庫県内の大手販社を通じて販売されており、毎年待ち望んでいるファンが全国にいるそうだ。

 陽光を浴びる庭の花々を眺めながら、新田さんは「気に入った場所に好きな家を建て、花に囲まれて暮らせているのは幸せなこと。まだまだ作り続けたい」と意欲をのぞかせた。

2022年9月24日付828号1面から

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