交通課長 佐野太介

 横断歩道は、歩行者が安全に道路を横断するための場所です。しかし、JAF(日本自動車連盟)による「信号機のない横断歩道における自動車の一時停止率」の全国調査で、2021年の三重県の一時停止率は47%でした。約半数の車は、横断しようとする歩行者がいても停止しないということです。

 警察では歩行者優先のルールを定着させるため、横断歩行者妨害の違反に対する取り締まりを強化しています。

 歩行者の方には、車の運転者が迷わず止まることができるように、手を少し上げるなどして横断の意思を示す「ハンドサイン」を勧めています。手を少し上げるだけで、車の停止率が大きく向上することがわかっていますので、ぜひ実践して頂きたいと思います。

 また、伊賀署管内の全ての小学校を「まもってくれてありがとう運動」モデル校に指定し、子どもたちから横断歩道手前で止まってくれた車の運転者に対して「ありがとう」の気持ちを伝える運動をお願いしています。子どもたちから感謝された運転者は「次も止まろう」という温かい気持ちになり、次の安全行動につながります。子どもたち自身も、大人になったときに交通ルールをきちんと守るようになるという効果が期待できます。

 横断歩道における歩行者優先は「マナー」ではなく法律に定められた「ルール」です。一人ひとりが交通ルールを守り、ゆとりと思いやりのある行動で、悲惨な交通事故を1件でも減らしていきましょう。

2022年8月27日付826号23面から

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