【保健所から男性のスマートフォンに届いたショートメッセージ(一部加工しています)】

 新型コロナウイルスの第7波が全国的に猛威を振るっている。三重県内の1日当たりの新規感染者数は、7月下旬以降1000から3000人台を記録し、自宅療養者は2万人を超えた。伊賀の現状はどうか。

 伊賀保健所によると、管轄する伊賀・名張両市の自宅療養者数は約1800人(8月8日現在)を超えた。これは伊賀地域に住む人のおよそ90人に1人が、自宅療養している計算だ。

 同保健所には県庁や両市役所、民間からも応援職員が入るなどし、約50人体制で業務に当たっているが、感染者数の急増でひっ迫している。感染者への連絡はこれまで電話だったが、業務負担軽減のため8月2日以降はショートメッセージへの切り替えを進めている。

電話つながらないつらさ

 名張市に住む会社員男性(45)は、7月31日夜に寒気を感じ、翌8月1日早朝に38度超の発熱があった。ネットで相談窓口を検索し、午前9時ごろ伊賀保健所に電話したという。

 ところが、何度かけても話中音や、「ただいま混み合っています。しばらく経ってからおかけ直しください」のガイダンスが流れるのみ。県のコールセンターにかけても結局は伊賀保健所の窓口を案内され、50回近くかけてもつながらなかったという。

 受診のため、県のコールセンターで伝えられた医療機関などにも電話したが、「かかりつけではない」と断られてしまった。結局、市立病院に頼み込んでPCR検査をしてもらい、間もなく陽性が判明したという。

 保健所からショートメッセージで療養上の注意事項などが送られてきたのは、陽性が判明してから丸3日が経過した4日午後9時近くだった。男性は「対応が大変なのはわかるが、38度の熱が出て体調が悪い時に、電話をかけても全くつながらないというのが一層つらかった。検査にすらたどり着けない人も、多くいるのでは」と嘆いた。

 同保健所によると、電話相談の窓口は多回線で対応しているが、相談が多く、受けきれていないことがあるという。「つながらない時は、少し時間をおいてかけ直してほしい」としている。メッセージの案内については、医療機関でのデータ入力や保健所での集約のタイミングによっては、3日ほどかかることもある状況だという。

2022年8月13日付825号23面から

- Advertisement -