【走りを磨く松山君(左)と唯人君(同高提供)】

 今年の全国高校総合体育大会(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体2022」が8月23日まで開かれている。この大舞台に臨む三重県の伊賀地域各校の選手、伊賀地域ゆかりの選手たちに意気込みを語ってもらった。

双子の弟と故郷離れ走り磨く 陸上 松山君

 名張市の赤目中を今春卒業し、陸上や駅伝の強豪として知られる佐久長聖高(長野県佐久市)へ進学した松山優太君(15)=名張市百合が丘出身=は、中学時代から得意としている800メートルで、1年夏に早くもインターハイ出場を決めた。最も身近なライバルであり、ずっと競い合ってきた双子の弟・唯人君(15)とともに故郷を離れて寮生活を送り、走りを磨いている。

 マラソン好きの父・秀一さん(43)の影響で、兄弟ともに小学4年から地元の陸上クラブで競技を始め、同じ種目に取り組んできた。互いに「ずっとライバル」「負けられない」という意識だったが、環境が変わった今では「ライバル関係も信頼関係も強くなった」という。

駅伝に向けて

 松山君は、5月の長野県総体で4位、6月の北信越総体では自己ベストを更新する1分55秒11で5位に入った。「自分の走りに自信が持てた半面、足りない部分にも気づかされた」と振り返り、「長距離でも戦える力をつけ、駅伝シーズンに向けて経験も積みたい」と先を見据えている。

 「気が付けば2人一緒にいることが多い。見分け方は走るフォーム」。そう話す駅伝部監督の高見澤勝教諭(41)は、山梨学院大時代に三大駅伝などで活躍し、2011年に現役を引退。全国高校駅伝で上位常連の母校を同年から率い、2017年には優勝に導いた。「2人ともスピードに自信を持っているので、持ち味を生かしつつ、距離に対応できるよう成長してほしい」と期待を込める。

 県総体では松山君から9秒差の8位で、北信越、全国には進めなかった唯人君だが、「自分より1歩前にいる兄の存在がモチベーション」と、これからの成長を誓う。秀一さんは「多くの方の支えや走る楽しさを忘れず、インターハイでの経験を今後の競技に生かしてほしい」と名張から2人にエールを送った。

2022年7月30日付824号22面から

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