【狙いを定める伊佐地さん=伊賀市で】

 今年の全国高校総合体育大会(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体2022」が8月23日まで開かれている。この大舞台に臨む三重県の伊賀地域各校の選手、伊賀地域ゆかりの選手たちに意気込みを語ってもらった。

自分と向き合う 弓道 伊佐地さん

 伊賀白鳳高(伊賀市緑ケ丘西町)弓道部からは、女子個人の部に3年の伊佐地彩さんが出場する。同部は、1年から3年まで計男女34人が所属。大所帯の中、昨季は副部長も務めた。

 中学ではバレーボールをしていたが、高校では親類の影響で興味を抱いていた弓道を始めた。1年の夏からは、部活後に自主的に市民弓道場にも通い、社会人選手に交じって練習を重ねた。

 昨年の三重国体では、代表に選出されていたが中止になってしまった。悔しい思いを乗り越えて臨んだ今年、5月に鈴鹿市であった県大会で24射19中の成績で1位となり、念願の全国への切符をつかんだ。

 「緊張感の中、自分自身と向き合えるのが弓道の魅力」と、弦音を響かせる伊佐地さん。「インターハイの目標は入賞すること。結果を残したい」と、28メートル先の的に狙いを定める。高校を卒業した後も、弓道を続ける考えだという。

 弓道女子個人の部は、徳島市のとくぎんトモニアリーナで8月6日に試合が予定されている。

ともに初出場 陸上 森川君と小林君

 陸上競技部からは、3年生2人が東海総体で上位に入り、ともに初出場を決めた。

投てきの練習をする森川君=同

パワーと器用さ

 ハンマー投に出場する森川陽平君は城東中出身で、中学時代はサッカー部の傍ら、夏期は陸上部でも円盤投に取り組み、県大会に進んだ経験がある。ハンマー投を勧めた顧問の和田靖教諭は「黙々と競技に取り組める素地があり、パワーに加え器用さやバネも備えている」と分析する。

 県総体は45メートル06の2位で突破し、東海総体は自己ベストの51メートル49で5位に入り、全国出場を決めた。4月に腰を痛めた影響で、県総体までは大会出場も控えていたが、高校生活最後の大舞台には間に合った。日頃は体幹トレーニングなどで下半身強化に努め、「記録が伸びていく面白さが一番の魅力」と語る。

 同高の投てき種目の選手は4人で、ハンマー投は森川君を含め3年生2人のみ。「投てき種目に取り組む子が増えたらうれしい」と願いつつ、「楽しんで大会に臨み、決勝に進めるよう頑張りたい」と意気込みを語った。

練習に打ち込む小林君=同

バランス取れたランナー

 男子3000メートル障害に出場する小林周太郎君は、志摩市出身。中学までは長距離が専門で、同高入学後に障害レースを始めた。身長185センチで、大きいストライドを武器に、今年5月の県総体を制し、6月の東海総体は2位に。その1週間前に行われたU20日本選手権では、9分2秒74の自己ベストで7位入賞を果たしている。

 「昨年より余裕を持って試合に臨めているので、周りの選手たちを見ながらレースを組み立てていける」と小林君。顧問の後藤剛教諭は「障害を飛び越せるのが強みで、バランスの取れたランナー」と評価する。

 中長距離や駅伝の名門として知られる同高だが、今年は中長距離での出場はゼロ。後藤教諭は「チーム全体の思いも感じながら、ここで満足することのないレースを見せてほしい」と期待を込める。昨年は東海総体7位でインターハイ出場を逃していた小林君は「けがをしないようしっかりと準備し、格上の選手たちにも挑んでいけるレースをしたい」と抱負を語った。

 陸上競技は8月3日から徳島県鳴門市の鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで。

2022年7月30日付824号18、19面から

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